正しい男の選び方
「……何?」
明らかに面倒くさそうな声だった。……葉子は、ひるまないようにぐっとお腹に力を入れた。
今度は、覚悟も勇気もない女にコウヘイみたいな男を捕まえられるはずないわよ、というルーシーの言葉が蘇る。
「明日の夜は空いてる?」
「あー、予定がある」
「……明後日は?」
「カナとコンサートに行くんだよねー」
(……また、カナかよ!! 何が、何でもない、じゃ!!! 大ありじゃねーか!!!)
カナ、カナ、ってうるさい浩平に思わずカチンとくる。
「付き合ってもいない人とずいぶん、仲良しですねーぇ」
「カレシと別れたばっかで気晴らししたいんだって」
(うっっっ)
カナの行動の早さに舌を巻く。
早いもん勝ちと言ってた浩平の言葉をふいに思い出した。
(そうだ! それだって、浩平が言ってたんじゃないか! 私が実践して何が悪い?)
「明後日会うなら、カナとの今晩の予定はキャンセルして。ウチに来て」
「……いきなり、何だよ。そんな、できないよ」