正しい男の選び方

「できる。何だったら迎えに行く」
「いや、来なくていいよ」

「じゃあ、ウチに来て?」
「……何? 何かあったの?」

「……話したい事があるの」
「話?」

怪訝そうな声だ。

「うん」
「だったら、今話してよ」

「……顔を見てじゃないと話せない」

しばらくの沈黙があった。

「……何時」

「え?」
「何時に行けばいいの、そっちに」

葉子は飛び上がらんばかりだった。

「7時! 7時に来て」

声が上ずる。
きゃーっと喜びの叫び声をあげたいぐらいだ。

「ぜ、絶対来てよ!?」
「ブッチしたら追いかけてきそうだからね、行くよ……」

「うん、待ってる。じゃあね!」

声が弾むのが自分でも抑えられなかった。

「ヤッタ―!」

電話を切った後、席を立ってガッツポーズをしながら、叫び声をあげる。

葉子はカフェで注目を浴びた。周りの人が白い目でジロジロみる。くすくす笑うカップルもいた。

でも、どうでもいい、そんなこと。
どうでもいい! 

浩平が来てくれるって言ってくれたんだから、叫ばずにはいられない。

第一関門は突破。
葉子は勢い良く立ち上がって、スーパーに向かった。

入念に準備をしなくては。
急いで買い物を終わらせると、早速今晩の準備に取りかかった。



< 252 / 267 >

この作品をシェア

pagetop