正しい男の選び方
ほとんど叫ぶように大声を出さなければ会話が聞こえなかった。
「ご、ごめん……」
少し涙目になりながら、葉子は謝った。
浩平はまた小さく笑って、葉子の隣りに来て、フライパンを取り上げた。
「慣れないもの、作ろうとするからだよ。ちょっと貸してみ」
「……」
「そこのごはん、こっちに用意しといてくれる?」
「はい」
「あと、その玉ねぎ刻んで」
「……わかった」
浩平はフライパンのふちに飲みかけのグラスのワインを少し垂らした。
「うまそうー」
にやにやしながら呟いている。
「葉子も食うんだろ?」
「う、うん」
刻んだ玉ねぎが目にしみる。葉子は、涙をポロポロとこぼしながら答えた。
浩平は、出来上がったのをぽんとお皿に移すと、バターを足して、葉子の刻んだ玉ねぎをざっとフライパンに移して炒め始めた。
それからご飯を入れる。
「アーモンドとかパセリとかそういうの、ない?」
「あ、パセリなら……」
「じゃ、刻んで。最後にいれよう」