正しい男の選び方
何て言えばいいのよ? ーー 葉子はパニクって隣りの浩平に聞く。
ご飯一緒に食べませんか、でいいだろ ーー 浩平がささやき返す。
「ご飯、い、一緒に食べませんか」
「え、今から……ですか?」
電話の向こうで、戸惑いが広がってるのが葉子にもわかった。
何て言う? どうすればいい?? ーー また隣りの浩平にささやく。
押しの一手だろ。急に一緒に食べたくなって、って言えばいいんだよ ーー 浩平が返した。
「はい。あの、緑川さんと一緒に食べたくなって」
「……わかりました。じゃあ、伺います」
場所を言うとすぐ近くにいたようで、30分ほどで来られる、と言って電話を切った。
「来るって!」
顔をほころばせる葉子を見て、浩平も柔らかく微笑んだ。
「良かったなー。じゃ、オレは少ししたら帰るよ」
「え? 帰るの?」
「何、三人で食べたいわけ? もしかして修羅場好き?
この前のことサンゴ礁にバレたらどうすんだよ。オレはサンゴ礁に殴られるとかイヤなんですけど」
急にこの前の夜の事が生々しく思い出された。