正しい男の選び方

何て言えばいいのよ? ーー 葉子はパニクって隣りの浩平に聞く。

ご飯一緒に食べませんか、でいいだろ ーー 浩平がささやき返す。

「ご飯、い、一緒に食べませんか」

「え、今から……ですか?」

電話の向こうで、戸惑いが広がってるのが葉子にもわかった。

何て言う? どうすればいい?? ーー また隣りの浩平にささやく。

押しの一手だろ。急に一緒に食べたくなって、って言えばいいんだよ ーー 浩平が返した。

「はい。あの、緑川さんと一緒に食べたくなって」

「……わかりました。じゃあ、伺います」

場所を言うとすぐ近くにいたようで、30分ほどで来られる、と言って電話を切った。

「来るって!」

顔をほころばせる葉子を見て、浩平も柔らかく微笑んだ。

「良かったなー。じゃ、オレは少ししたら帰るよ」

「え? 帰るの?」

「何、三人で食べたいわけ? もしかして修羅場好き? 
 この前のことサンゴ礁にバレたらどうすんだよ。オレはサンゴ礁に殴られるとかイヤなんですけど」

急にこの前の夜の事が生々しく思い出された。

< 82 / 267 >

この作品をシェア

pagetop