正しい男の選び方
ほろ酔い気分になったところで二人は店を後にした。
さりげなく横に並んだ政好が葉子の手をそっと握ってくる。
葉子が政好の方を見ると、政好は俯き加減で照れたように微笑んだ。
「今日は楽しかったです。あの……」
葉子は静かに政好の言葉の続きを待っている。
「良かったら、その……」
待ってる葉子の方がじれったいぐらいだった。
「これからも、また一緒に出かけたり、食事に行ったりしてもらえますか……」
ようやく言い終わった政好は消え入りそうな小さな声になっていた。
葉子がかすれた声で「はい」とだけ返事をすると、安心したように深呼吸を一つして大きく息をはいた。
葉子はぎゅっと政好の手を握り返す。
二人は手をつないだまま空を見上げる。月のきれいな夜だった。