正しい男の選び方

今日は仕事の後、クッキーの試食に行く日だ。

葉子は政好と待ち合わせて、中田の知り合いのお菓子屋に向かった。

「待ち合わせ」

いかにもカレシとデートする時のようなその響きに、葉子は少しうっとりとする。

「オープンして二年になるんですけど、順調に売れてるみたいなんですよ。
 全品オーガニックっていうのがウリらしくて」

政好はさりげなく説明しながら、葉子の手を握ってきた。
この前よりもずっと自然で力強い。葉子が政好をみると、政好の方も葉子の顔を見つめてにこっと笑う。

……これは、紛れもなくほぼほぼおつきあいが始まった状態だ、と解釈して良いのではないだろうか。

そんな余計なことを考えていると葉子は顔のにやにやが止まらない。
ああもう、お菓子屋までの道のりがもっと長ければよいのに、と思うような夜であった。

お菓子は美味しかった。
お菓子屋さんで中田さんと恵と落ち合って、四人で何種類かのものを試食したが、どれも美味しい。

どのお菓子をどのくらい仕入れて、いくらで販売するかを話し合った。
しかも、店主が中田さんの友だちということもあり、それから「アマゾンの森林を守る会」の趣旨にも大いに賛同してくれている、ということもあり、破格の好条件でお菓子をだしてくれることになった。

コーヒーはNPOで推進しているフェアトレードのものを提供する予定だし、もちろん豆も販売する。



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