正しい男の選び方
Tシャツとバッグは、葉子が思っていたよりずっと良い仕上がりだった。
時間もあまりなく、サンプルを頼むこともなくオンラインで頼んだだけだったので、実物を見るまではすごく心配だった。
だけど、葉子のイメージ通りのものがあがってきたのでとにかくほっとした。
「きっとこれなら完売するんじゃない?」
「そうかな、どうかな」
「ホントだね。もう少し注文しといても良かったかも」
皆は口々に言い、来週の金曜日から始まる秋祭りに期待をしていた。
帰り道、葉子は政好と一緒に帰っていたが、今晩は何となく浩平のことが気になって、少し上の空だった。
だから、政好がその話を言い出した時も、すぐに何の事かわからなかったくらいだ。
「……どうかな?」
政好が恐る恐る葉子に聞く。
「うん、いいねぇ……」
葉子は適当に返事を流した。
「本当に! いいの!?」
急に声が明るくなって、葉子はびびった。政好は一体何の話をしたんだろう?
「あ……えと、ごめんなさい。何でしたっけ?」
「旅行。秋祭りが終わったら、二人でどこかの温泉で一泊行こうかなって……?」
「いいね……え、え? えー?」
急に話が進展して葉子はうろたえた。