スウィングしなけりゃときめかない!―教師なワタシと身勝手ホゴシャ―
初めのうちは、美香子先生はちょっと飛梅に行くのを戸惑っていた。
その理由、今なら正確にわかる気がする。
「美香子先生、去年の4月とか5月とか、俊くんに対して引け目みたいなの感じてなかった?」
「感じていたわ。やっぱりわかった?」
「人見知りするのかな、くらいに思ってた。でも、俊くんがまぶしかったから行きにくかったってことだよね?」
「わたし、あのころは太っていたし肌も荒れていたし、何より疲れた顔をしているのが自分でわかっていたから。
ずいぶん老けて見えるだろうなって思ったら、気が引けちゃって。ただでさえ、わたしのほうが俊文くんよりずっと年上だしね」
「でも、美香子先生、1学期が終わるころにはだいぶスッキリした体型になって、肌もきれいになってた。どんどん美人になるなあって感心してたんだよ」
「実は、生まれて初めて、本気でダイエットしてみたのよ。ウォーキングしたり、カロリー計算をしたり、栄養バランスを考えたり。
肌荒れを隠すためのファンデーションの厚塗りも思い切ってやめて、食品も化粧品も全部、できるだけシンプルにした」
「えらい! というか、いつの間にウォーキングを?」
「朝から歩いて通勤することにしただけ。そのくらいでも、全然違うわよ」
「もっと早く教えてよー! わたしも頑張るのに」