スウィングしなけりゃときめかない!―教師なワタシと身勝手ホゴシャ―


「えっと、それって、俊くんに告白するって意味?」


「そういう意味。なぎさ先生がライバルじゃないなら、遠慮する必要はないし。

失恋して傷心中の俊文くんが、ふらふらと変な女の人について行ってしまう前に、わたしがさらっちゃおうと思う」


「ああ、うん、それは、いいんじゃないでしょうか、はい」


うわぁ、これ、恋バナだ。

内緒話とか、久々だ。

何かドキドキする。


やっぱり美香子先生は俊くんのことが好きだったんだ。

何となくそういう雰囲気を感じてはいたけど、美香子先生はほかの女性のお客さんみたいにわかりやすく俊くんにアプローチをかける様子を見せなかったから、確信は持てなかった。


美香子先生はサラダをゆっくり食べながら、その合間に、考えをまとめるみたいに語った。


「年下の男の人を好きになったのは初めてなの。

去年の春、なぎさ先生と一緒に、最初に飛梅の暖簾をくぐったとき、いらっしゃいませって言ってくれた俊文くんの笑顔に惹かれた。ほとんど一目惚れね」


大人なのに、仕事中なのに、生き生きしている。

そんな俊くんが、当時の美香子先生には衝撃的なくらいまぶしかったらしい。

荒れた中学校の問題児たちに囲まれて、くたびれた大人たちが働く職員室で冷たい待遇を受けて、ついに倒れてしまった美香子先生だったから。


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