スウィングしなけりゃときめかない!―教師なワタシと身勝手ホゴシャ―
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コインパーキングに停められた頼利さんの車のそばで、らみちゃんが、ぎゅうっとわたしにくっ付いている。
「せんせぇ……せんせぇ、だいじょうぶ?」
言葉足らずになって、目がうるうるで、小さな体はちょっと震えてる。
わたし、らみちゃんにまた助けてもらったんだ。
その実感が、今になって湧いてきた。
「ありがとう。来てくれて、ありがとうね。でも、どうしてここに?」
頼利さんが後部座席にわたしのバッグを積み込みながら、説明した。
「この先にある音楽大学のコンサートホールに行くところだったんだ。
WJOのライヴに、音大のジャズ科の学生たちが来ててな、自分らのコンサートが金曜にあるから招待したいっつって、人数ぶんのチケットを置いていった」
メンバーの全員がコンサートに行けるわけではなかったから、頼利さんたちは、余ったチケットを譲ってもらったらしい。
駐車場に車を置いて歩いていく途中、エンパヰヤのガラス窓越しにわたしを見付けて、様子がおかしいと感じたそうだ。
らみちゃんが、あのね、と話したそうにしている。
わたしはしゃがんで、らみちゃんと目の高さを合わせた。
「なぁに、らみちゃん?」