スウィングしなけりゃときめかない!―教師なワタシと身勝手ホゴシャ―


会話、してる。

ジャズという言語で、同じスウィングの中で。


「オーケイ、ははっ! マジかよ」


たまにそんなことを、一言二言、頼利さんは笑ってつぶやく。

演奏しながら笑っていいし、しゃべっていいんだ。

ウォーターサイド・ジャズ・オーケストラも、ライヴ中、笑って歓声あげたりしてたっけ。


ちょっとお行儀悪いけど、楽しすぎて、じっとしてられない。

わたしも笑う。

気持ちいいって声に出す。

弾きながら、旋律を口ずさむ。

ラララとかダババとかドゥビドゥバとか、どこかで聞いたことある、何語でもない何かで。


あまりにも楽しくて、調子に乗った。

頼利さんのフィルインの真似をしてるうちに、アレンジのパターンがちょっとわかってくる。

そういえばプロがこんなの弾いてたよねって、頭の隅に引っ掛かってたライヴの記憶を指先で再現したりする。


できることが増えていく。

「語彙」が増えて、しゃべるのが楽しくなってくみたいに。

もっと知りたい。

もっと弾けるようになりたい。

わたし、ジャズって好きだ。

勉強したい。

たくさん楽しみたい。


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