水玉模様
「あ~っ!瀬口おかえり~!心配したよー!」

教室に着くなり、あやねが飛びついてきた。

「あやね、待っててくれたの?」

「当たり前じゃん!イキナリ指導室呼ばれてたからビックリしたんだもん!」

教室には、あやねと生輝くん、それから工藤瞬もいた。

「森さんなんか、スゴイ剣幕で篠田くんのカバン取りに来てたよ~。」

「あぁ(笑)、さっき会った。」

「和奈姉は何で指導室なんかに呼ばれたの?」

「何でもいいでしょ。」

「良くないよ!俺は和奈姉のことが好…。」

「わかった!わかったから、その先は言わないで!」

「…いいじゃん、減るもんじゃないし。」

「で、何で?」

ふてくされてる工藤瞬の存在を無視したあやねが、興味津々な顔つきで言った。

「てか瀬口姉、ケガは大丈夫なんですか?」

そこまでは聞いてるんだ。

「うん、大丈夫。」

あたしはニッコリ笑顔で、生輝くんをかわした。

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