水玉模様
ちょっとは空気読んでよ!

「あやね…!」

あたしの気持ちを察したかの様に、生輝くんがあやねを一喝した。

いや、工藤瞬の気持ちを察したんだ。

「あ、ごめん…瞬くん。」

さすがのあやねも気付いたみたいで、少し申し訳なさそうにしていた。

「あやねセンパイ、俺全然ヘーキっすよ?てか無罪なんでしょ?和奈姉とチューするのは俺だし~♪」

「うるさいよ、工藤瞬。」

「和奈姉コワッ!」

工藤瞬は全然フツーに見えて、余計な気をつかったかなと思う程だった。

「…。」

窓を閉めきった校内は、どことなく空気が歪んで見えて、あたしは…あたし自身が歪んでしまわないように、一歩一歩確実に歩いた…。

翌日―――昨日の事を、何故かみんなが知っていた…。

あたしが歩きながら話したせい?

誰か聞いてたの?

でも、指導室に呼ばれた事はクラス中が知ってる事で、大方ウワサ好きの女子達が、面白おかしく尾ひれでも付けてるんだろう。


< 106 / 358 >

この作品をシェア

pagetop