水玉模様
《バイト終わったー。》

「……へへ。」

篠田くんからのメールに、急に照れくさくなる。

《お疲れさま!あたしはあやねと課題してたよ。》

《じゃぁ、お互いお疲れさまだね。》

「……♪」


もう何通くらい、メールのやりとりをしたのか…。

数えてなんかいないけど、既読メールが増えていくのが嬉しくて、くすぐったい気分。

「あ…っ!」

―――それは、家々の隙間から、あたしの目に飛び込んできた。

「…。」

ドオォォ……ォン…

遠くの方で、花火が空を彩り始めたのだった。

小さく見えるその花火は、少し寂しげに映った。

家の前まできていたけど、あたしはそのまま花火を見続けていた…。

《花火どこでやってんだろうね?見える?》

「…。」

篠田くんも、同じ花火を見てるんだ…。

《うん。小さいけど、キレイだよね!》

《となりの市かなー?瀬口さんわかる?》

《知らなーい…。旭市の花火は明後日らしいけどねー。》

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