水玉模様
「ちょっと和紗、これつけて!」

「どこ?右?左?」

「どこでもッ!時間ないの!」

和紗に頼んだのは、和風の花のコサージュ。

浴衣と同じ、薄紫色。


あたしは、昨日篠田くんから送られてきたメールをひらいた。

《明日5:52の旭市方面に乗って。俺もそれにあわせて乗るから。前から2輛目ね。》

おとといは、お母さんが出してくれた浴衣を眺めては興奮して、眠れなかった。

昨日は―――緊張して眠れなかった。


「和紗まだぁー?」

で、今日ーーー寝不足続きだったせいで昼寝……寝坊してしまった。

遅刻なんてとんでもない…あたしは和紗を急かした。

「はい、オッケーだよ。」

「ありがと!」

あたしは、お礼も早々に玄関に向かった。

「てか言ってくれれば、あたしの浴衣貸したのにー。」

「あんたのは可愛すぎなんだもん、着れないし。」

「でも、いいの?」

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