水玉模様
あたしから行く勇気など、なかった。

正直、篠田くんに関わらなければ、嫌がらせもなくなるだろう…とまで、思っていたーーー。

届かない人への『好き』を続けることが、辛かった…。


どうしようもないくらい、好きなのに…。



そうして迎えた文化祭ーーー季節は、10月になっていた…。

「今日は一目惚れ記念日なんだぁー♪」

上機嫌なのは、生輝くん。

そうだった、生輝くんは去年の文化祭で、あやねに一目惚れ…したんだった。

「お祝いだから、俺のおごり!」

そんな生輝くんの言葉に甘えて、あたし達は紅茶とクッキーをごちそうになっていた。


この学校の文化祭は、いたって地味。

露店なんてないし、あるのは各クラスに掲示してある実験や歴史をまとめたレポート、書き初めなど。

遊びの要素はほとんどなく、授業の延長的な行事。

あとは、部活動の発表や体験コーナー。

中学の時の方が、まだマシだった様な気がする…。

退屈してたあたし達は今、料理部が運営してるミニカフェで生輝くんのおごりで休憩中。

メニューは全て100円、当然の様に賑わっていた。


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