水玉模様
「あれ…瀬口さん……。」

「…あ!」

顔を上げたそこには、篠田くんが居た…。


「瀬口さんもカラオケかぁ。学校半日だったから、みんな考えること一緒だね。」

「そ…だね。」

今日来たのは学校から一番近いカラオケ屋だけど、まさか居るなんて思ってないからビックリしたじゃん…。

「充也も居るよ、同中の連れと来てるんだ。てか大丈夫?気分悪そうだけど…。」

「…ちょっと、ね。てかあたしトイレ行きたいんだけど。」

さすがに恥ずかしくて、理由なんか話せない。

「あっ、ごめん!」

そう言うと篠田くんは、道をあけてくれた。

「じゃ…。」

「うん、じゃぁ…。」


あたしはトイレに入ると、息をゆっくり吐いた。

そして何度かうがいをすると、ヒリヒリしてたのが少しおさまって、感覚が戻ってきた。


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