水玉模様
「…。」

さてと、戻るか…。

てか充也からカラオケ行くなんて聞いてないし。

あたしも行くなんて言ってないけどさ。



「…え……あれ…?」

「あ、何か心配だったから…。俺、元保健委員だし?」

トイレの前に、篠田くんが立っていた。

待ってて…くれた?

「さすが元保健委員(笑)。でも大丈夫だから。充也達、待ってるんじゃないの?」

「あぁ、いいよ別に。」

「そぉ…。」

「…。」

特に話題がある訳でもないあたし達は、すぐに無言になってしまっていた。


「…じゃ、じゃぁ、行くね?」

何だか気まずくなって、その場を立ち去ろうとしたあたしだった。


「待って。」

「…。」

あたしを呼び止めた篠田くんは、真顔だった。

「来て。」

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