水玉模様
「今更…好きだとか言って…!てかさっきのは⁈森さんには篠田くんが…って何?」

「それは…。」

あたしは、篠田くんの話を最後まで聞かなかったーーー。


「あたしには、今…。」

拭いても拭いても…涙は止まらなかった。


「あたしには…ッ、瞬が、居るの…!」

「…。」

「わけわかんない事…言わないでよぉっ…!」



「…ごめん。」

大声になっていたあたしに対して、篠田くんは静かに丁寧にそれだけ言うと、部屋から出て行ったーーー…。


「……ッ…。」

引き止めることなんて、出来なかった。

あたしはまだ、篠田くんの腕の中に居た感触を忘れられなくて、自分で自分を抱きしめた。


「…篠田く……。」

くっきりと、痕(アト)を残して…離れてくれない。


あたしは―――。

あたしはまだ、篠田くんのことが…。


あんな事が、言いたかったんじゃない。

戻って…来て……。

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