水玉模様
“諦めらんねー…。”


ホントに―――?

でもやっぱりあたし…あたしは言えない。


「……。」

例え、あたしの中の水玉が篠田くんの色に染まってしまったとしても、あたしはその気持ちを…きっと言葉には出来ない。

あたしには瞬が―――…。


でも…何で…。


閉じ込めていた篠田くんが、出てきてしまった…。

「……。」

タオルで、目を覆ったーーー。



あたしは、みんなの所に戻ることなく、家に帰った。

カバンを置きっぱなしにしてきたけど、運良く電車の定期がポケットに入っていたおかげで、お金は必要なかった。


途中、何回もの着信とメールの受信…。

誰の声も聞きたくなかったし、顔も…見たくなかった。

「…。」

ベッドに沈む自分の身体が、深く沈んで抜けなくなってしまいそうなくらい重たく感じていた。

さっき和紗が呼びにきて、何回も部屋をノックしたり開けようとしていたけど、それもシカト。

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