水玉模様
カバンの近くに、見覚えのない紙切れが落ちていた。

カバンの中から…?

さっきペットボトルを取り出した時に、ついてきたのかな…。



「…あ……。」

瞬―――…。

あたしは手にした紙切れから目を離せないまま、その場に座り込んだ。

【急にいなくなって連絡もとれないし、何かあった?心配だから、とりあえず連絡してほしい。 瞬】


「瞬…。」

ごめん…。

ごめんね…。


潤(うる)みかけた両目をこすりながら、あたしはケータイに手をのばした。

やっぱり今日は、行けない…。


だいたい、どんな顔して会えばいいのかもわからない。

あわせる顔がないと言った方が、正しいのかな…。


あたしは瞬とあやねに、昨日の事を謝る内容に、今日は休むという事を付け加えたメールを送った。


渦巻く心を、ただ…抑えつけたかった。

< 286 / 358 >

この作品をシェア

pagetop