水玉模様
「よし!合格!」

あやねはあたしを指差しながら、にっこりと笑って言った。


「無理しなくていいから、話せることあったら話して?」

話すって言っても…。

どこから話せばいいのか…どこまで話せばいいのか……色んな事がありすぎて…。

「……。」


話せること…。

「…。」

「あはっ。瀬口考えすぎー!じゃぁどっか遊び行く?暇でしょ?」

あたしは首を横に振った…。

「ちゃんと、話すから。聞いてて?」

あやねには、いつか話さなきゃと思ってはいたものの、タイミングを失いすぎていた。

今日はきっと、いい機会なんだ。


「あのね―――…。」

思い切って、口を開いた…。


思えばあやねには、修学旅行の時に、篠田くんのことが好きだったと話しただけだった…。


1つずつ、絡まった紐を解く様に話したーーー話すことで、だんだん頭の中のぐちゃぐちゃが整えられていくのが、よくわかる。

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