水玉模様
「な、なんで知ってるの⁈」

「ばぁーか、俺に知らないことなんかねんだよ。ほら、着いたぞ。」


え……。

「着いた、って…ここ…?」

「そ、ここ。」

充也が笑顔で指差したのは“篠田”と書かれた表札ーーー。

篠田って、あの篠田⁈


「ちょっと充也…マジで言ってんの⁈」

「嘘ついてどうすんだよ。」

何で篠田くんの家に⁈

「…。」

あたしがあわあわしてるのも気にしないで、ポケットからケータイを取り出すとメールを打ち始めた。

「ちょっ…充也ッ!あたしマジ無理だから!」

ケータイを奪おうとしてもこの身長差、充也が腕を上げたらとてもあたしの手が届く位置ではなくなってしまう。

あっけなくメールは送信されてしまった…。


―がちゃり―

「…仕事で親いないから。あがって。」

ほどなくして、部屋着のままの篠田くんがドアから顔を出した。


< 299 / 358 >

この作品をシェア

pagetop