水玉模様
「…。」

「何ボケっとしてんだよ瀬口、ほらっ。」

充也があたしを促して、あたしはそれに従うしかなかった…。

「先に部屋行ってて。すぐ行くから。」

「リョーカイ。」

充也が軽快に右手をあげると、篠田くんは奥の方へ姿を消した。


「…どーゆう事⁈充也が話があるって言うから来たのに、何でそれが篠田くんの部屋⁈ちゃんと説明してよね。」

「落ち着けって。まずは病人の見舞いくらいしようや。」

「は…?病人?」

「悠だよ。アイツ昨日から熱出して休んでんの。知らねぇのかよ?」

「…。」

そうだったんだ…てかあたしが知ってる訳ないし。


「お待たせ。」

「…。」

篠田くんが、お菓子やらジュースやらを抱えて戻ってきた。

僅かに強張る、あたしの身体。


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