水玉模様
つまんない言い訳を聞くくらいなら、忘れた方がいい。

「…。」

篠田くんからすれば、あたしも二股かけてる事になると同時にそれは、瞬にも同じ事が言える。

何だか急に瞬に申し訳なくなってきて…会いたくなってきた。


瞬……。

「あ…。」

瞬―――?


会いたいなんて思ったせいかな、反対側のホームに瞬によく似た人が見えたんだけど…その姿はすぐに電車に隠されてしまった。

まさかね…。

こんなとこに瞬がいるわけない…。


「ただいま…。」

ぼそっと呟いて、あたしは2階へあがった。

「お姉ちゃんおかえり。」

「うん…。」

一言だけ返すと、そのまま和紗とすれ違い、部屋に入った。


あれ…?

すれ違った瞬間、和紗から……。


どこかで…この匂い……なんだっけ。

「…和紗?」

少しだけドアを開いて部屋の外を覗いてみたけど、そこに和紗はいなかった。

< 321 / 358 >

この作品をシェア

pagetop