水玉模様
「わかったら、早く出てってよ。」

「…。」

和紗は何にも言わなかったけど、おとなしく部屋から出て行った…。


瞬と別れた―――か。

案外簡単に口にしてしまった自分自身に、少しだけ驚いた。



それからのあたしは、恋愛沙汰からは遠く離れた毎日を送っていた。

あやねも充也も内心では心配してくれているのだろうけど、明るく振る舞うあたしにその話題を出すことはなかったーーー…。


1ヶ月、2ヶ月…時が経ち、あたしの心の中はだいぶ落ち着きを取り戻していった。

たまに篠田くんや瞬の姿を見かけてしまうと…思い出して切なさに囚われてしまいそうになることもあるけど…。

高3という環境が、それを救(たす)けてくれていた。

夏が終わり、短い秋が過ぎて、北風に吹かれ……季節の衣替えと共に、あたしの中で揺れ動いていた水玉たちも、すっかりおとなしくなっていった。

そうして、春風に乗って届いた合格発表ーーーあたしとあやねは同じ大学に合格したんだ。


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