ダブル王子さまにはご注意を!



あれ、と私は気付いたことがあった。


入院着だろうワンピース姿の郁美の胸元に、おおぶりの赤いペンダントヘッドが輝いてたのを。


「それ、綺麗なペンダントだね。買ってもらったの?」

「あ、はい……実は……一樹くんにいただいたんです」

「……そう」


ケッ! とやさぐれなかっただけでも褒めて欲しい。恋人同士ならプレゼントなんて珍しくもない、と微妙に視線をずらしながら手元を見た。


「一樹くんとは幼なじみなんです。幼稚園が同じで……6つにお別れする時に、これをプレゼントしてくれたんです。また会おうね……って。だから、また再会できて嬉しかった……」

「え……」


郁美の話に、驚いたなんてもんじゃない。


「郁美、6つの一樹を知ってたの?」

「はい……幼いころはもう少し丈夫でしたから。時折休んだり入院したりはしましたけど、1週間に3日くらいは通えてましたの。同じ付属幼稚園に入園した時から知ってましたわ」

「……でも……一樹はその頃の記憶がないって……なのに郁美のことは憶えてたの?」

「一樹くんの身元引き受け人がわたしのお父様でしたから。彼が記憶を失い引っ越すまではわたしの家でお世話しましたから」

「……そうなんだ」


なら、もしかすると郁美は夏樹のことも知ってるんだろうか?


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