ダブル王子さまにはご注意を!




(はっ!)


パートさんからの“なにしてんのさ”ビーム(視線)を感じて、やっと我に返る。


(さらに……お、お待たせしてしまった!)


慌てて笑顔を向けてから、お客さまへ目的をお訊ねした。


「申し訳ありません。まとめとおうかがいしましたが、本日はどのようなお品をお考えでいらっしゃいますか?」

「ああ、実は一人暮らし用のすべてを揃える必要が出てね。急ぎで申し訳ないけれど、今週末にすべてを配送してもらいたいんだ」


その時、叫ばなかった私を誰かに褒めてもらいたい。


顔を上げた時にサラリと揺れた色素の薄いさらさらの髪。男性にしては白い肌に、琥珀に近い不思議な色あいの瞳。何よりも絶句したのはハリウッド俳優も顔負けの整った顔立ち。


一見美人と言えそうな線の細さだけど、肩幅とか喉仏とか顎のラインとか眉とか。しっかり男性らしいところはあって。その身体を包む高価そうな(おそらくオーダーメイド)グレー地に白いストライプラインのスーツがよく似合ってた。


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