ダブル王子さまにはご注意を!
「あれ、もしかして失礼しちゃったかな?」
ちょっとしんみりした空気に、場違いなのんびりした声が響く。
仕事帰りだろうパーカーとジーンズ姿に、お見舞いだろう花とケーキの箱を持つ、早乙女さんだった。
来てくれた!と嬉しくなるよりも、なぜかほっとする気持ちが大きい。
二人の親密な空気にこれ以上当てられたくなくて……。
「あ、早乙女さん。わざわざお見舞いにきてくださってありがとうござい……」
んん? 早乙女さんはどこかを見てるけど。
その視線の先をたどれば……
まさかまさかの……郁美に?
え? ちょっと。早乙女さんの目がハート(古)になってない? 完璧にぼうっと見つめて……しかも頬を染めてますよ!?
「も、もしかして……ナツキちゃん……ですか?」
「はい……?」
震え声で出した早乙女さんの質問に、郁美は耳を疑ったのか訊き返してた。そりゃそうだ。一体何の話だってことになるわ!
「あ、早乙女さん。彼女は確かに私の友達になったばかりですが……名前、わっと!?」
なぜか、一樹が私の髪を引っ張ったから言葉が途中で途切れた。何すんの! と睨み付ければ彼は知らん顔。
なんで! 邪魔すんのよ。このまま誤解を解かなきゃ、あんたの愛しの彼女を好きになるかもしれないじゃない!