ダブル王子さまにはご注意を!
「あ……あの、外はよく晴れて気持ちいいですから……少し話しませんか?」
「え……ええ」
(うお~い! 彼女病弱って言ってたじゃん。こんな風の冷たい時期にダメでしょ)
「ちょっと、一樹! 早乙女さんを止めなさいよ。あんたの……」
彼女でしょ、とはなぜか言えずに、言葉が途切れた。胸の痛みには気づかないふりをして、キッと彼をにらむ。
「とにかく! 幼なじみなんでしょ。あんなバカな提案に乗せちゃダメでしょ」
「医者からはもっと外に出ろ、と言われてたからな。ちょうどいいんじゃないか」
「はあ、なにそれ? 郁美が風邪ひいてもいいの!?」
一樹の冷たい言い方に、逆に私が熱くなってきた。
「そんな言い方……確かにそうかもしれないけど、あんたには思いやりってもんがないの!?」
「思いやり?」
フッ、となぜか一樹は口元を歪めた。
「オレだって人間……のつもりだからな、一応情はある。だが、使いどころを間違えないだけだ」
すうっ、と細められた琥珀色の瞳は――今までにないほど冷たく冴えざえとしていて。なぜか、凛とした月光を思い起こさせた。