ダブル王子さまにはご注意を!




「いや……」


それだけ素っ気なく返してきた一樹は、私の方をちらっと見ただけですぐに目を逸らす。む、なんか愛想悪いぞ! と鼻をつまんであげた。


「こら、なにスルーしようとしてんのよ。郁美のこと気にならないの?」

「郁美なら、専任のSSがついてる」

「は? えすえす? なにそれ」


聞きなれない言葉に目を瞬くと、一樹は真面目な顔つきで振り向いた……鼻をつままれたまま。


「シークレットサービスだ。専門の訓練を受けた護衛――」


一樹がそう話した途端、パン! と何かがはぜる音が響く。何かと前を見れば、近くの素焼きの鉢が砕け散ってた。


「え……なに? 何が起きたの!? きゃっ」


目の前で起きたことが信じられなくて近づこうとすれば、いきなり一樹に腕を引かれる。そして、そのまま頭を押さえられて低い体勢を取らされた。


再び、パン! と短い音が響く。爆竹に似た音だけど、違いは音がかなり反響するってこと。また、近くのものが壊れた。


普通じゃない。そう思った私は、早乙女さんと郁美の様子が気になって二人のいる方を見た。すると、白衣を着た人が二人を誘導し物陰に隠れる。手に持ったものは……まさか、まさかの銃?


(え、あれ……玩具でしょ。 こんな民間病院で……あり得ないよ)


< 115 / 235 >

この作品をシェア

pagetop