ダブル王子さまにはご注意を!
パン、パン、と二度音が響いた。
日頃の運動不足がたたって、ハッキリ言ってすぐに疲れたし足が鈍る。
現代人に急に走れって無茶ふりしないでよ~!
十秒も経たずにはあはあと息切れしながら、何とか無事にコンクリートの隙間に入る。
ほっとしたら一樹が気になって振り向いたけど、彼は銃を構えながら反対側に移動してる。
たぶん、私を護るためだ。なら、今は彼の指示通りになるべく早く玄関へ向かうべき。そう考えて、後ろ髪引かれながら体勢を低くして隙間を通る。
途中、数度銃を撃つ音が聞こえて足が鈍ったけど、その度に先に進めと自分を叱りつけた。何の身を守る術を持たない私が出ても、足を引っ張るだけだ。
一樹がどうしてこんなにも場馴れしてるか知らない。けど、きっとこんな修羅場は何度も経験してきたんだろう。まったく動じることなく、冷静に最善な指示をしてきた。
彼を信じよう。私は、迷惑を掛けないよう逃げきることだけに集中して。
途中、灌木に身を隠している時が一番ヒヤリとした。一度、近くの地面が抉れて土が飛び散ったから。
けど、すぐ後に銃声が響いてそれ以上の異変はなくて。そのまま林の中へ走り込んだ。
足も体力も限界。けど、助かるためだと自分を励まして走り続けた。