ダブル王子さまにはご注意を!
「急に、どうなさいました? あなたはまだ……」
「入院の必要なんて、ないでしょ? フリューゲル王国のカールハインツ王子殿下様」
私が嫌味っぽく言ってやれば、夏樹はにっこり笑って返してきた。
「おや、どうやらあなたに余計なことを吹き込んだ人間がいるようですね」
「な~にが余計なことを、よ!巻き込んでおいてよくいけしゃあしゃあと言えるもんだわ」
怒りを露にして、彼をキッと睨み付けた。
「春日先生を脅し……もとい。優しく訊いて知ったけど、理事に多額の寄付をして私を退院できなようにしてたでしょ!?」
「それがなにか?」
「はぁ!?」
今コイツ、サラリとなんでもないことの様に言いおった!?
「まさか真由理がそこまで自分で知るとは思いませんでした。案外バカでなかったようで安心しました」
「……何それ? そりゃ私はバカだけど……よく知りもしない相手から言われれば腹が立つわ!」
バン! とベッドサイドにある棚を叩いて手が痛くなり、涙目になった。
「そのような乱暴な、身体を傷つけるような真似はなさらないでください」
夏樹はごく自然に手を取ろうとするから、咄嗟に彼の手を弾いて「触らないでよ!」と叫んだ。
「あんたなんか大嫌い! もう明日にはサヨナラするんだから、もう関わらないでよ」