ダブル王子さまにはご注意を!
「太陽……?」
夏樹が言う意味が全然意味不明。なに言ってんだコイツ?ってレベルだ。
けれど、彼はまた意味深な言葉を続けた。
「……まだ、あなたが思い出せないならそれでもいい。けど、やっと見つけたんです。僕が離すはずがないでしょう」
「なに……言って……だってあんたも記憶がないって……」
「記憶が無いのは本当です。けれど、それは一樹の方だけ。僕はすべて憶えてますよ……どうして忘れる必要があるんでしょう? あなたと僕が過ごした素晴らしい日々を」
「えっ……」
夏樹と、過ごした日々?
今までの話の流れからすれば、失った記憶の部分――6歳までの思い出で、私と夏樹が知り合ってたってことになる。
もしも……もしも夏樹が言うことが本当なら……日下部刑事の告げた内容と重ねれば。おのずと答えが導き出せる。
「……私……夏樹や一樹と子どもの頃に会ったことがあるの?」
半信半疑で口にしてみれば、夏樹は「そうですよ」とあっさり肯定する。
「僕と一樹とはまだ幼稚園の時には二人と公表されてませんでしたから、交代で代わる代わる行動してました。幼稚園時代……君と僕はよく遊びましたよ」
「幼稚園……時代?」
夏樹の言葉に引っかかるものを感じた。