ダブル王子さまにはご注意を!
「はぁ?」
それこそ、自分が言うのもなんだけど。なにいってんだコイツ!? だわ。
「あたま、大丈夫? 私の生活みたでしょ。あんなだらしない干物女のどこがいいの?」
自分で言うのも悲しくなるけど、事実だから仕方ない。
「真由理はそのままで構いませんよ? 僕が家事のすべてをしますから。僕の家事の能力はご存知でしょう」
「ぐ……」
確かに。短いけど居候生活の中で、夏樹の家事能力は完璧だった。
ハウスキーパーや執事を雇ってはいたけど、それ以外のプライベートな部分では恐ろしいほど有能。こんな旦那が欲しいと妄想したのは一度や二度じゃない。
「で、でも。私は恋愛十連敗中の失恋常習者だよ。つまり女としての魅力はまったくないってこと。そんな女のどこがいいわけ?」
「馬鹿な男たちですよ、あなたの本当の魅力を知る前にふったんですから」
(――え)
夏樹の手が肩に置かれて、何だかヤバいと警報が鳴る。腰を引き気味にして逃げようとすると、がっちりと彼の腕が絡みそれを阻止した。
「……あなたの唇はこんなにも柔らかく甘いのにね」
そっと囁いた夏樹は、何の躊躇いもなく私の唇に自分のものを重ねる。
必死に逃げようと両手で突っ張るけど、キスが深くなっていき震える身体から勝手に力が抜けていく。
嫌だ、と思うのに……どうして!?
しかも、最悪なことに。
ドアの向こうに一樹の姿が見えたような――そんな気がした。