ダブル王子さまにはご注意を!





「はぁ……」


入院して2週間目。


最近、ため息が着くことが多いのは気のせいじゃない。


「ほら、真由理。ウサギリンゴ剥いたらから食べなさい」

「……いただきます」


あんまり食欲はないけど、お母さんに心配はかけたくなくて手を伸ばした。


シャリッとした歯ごたえと甘酸っぱさは同じなのに、以前より美味しく感じない。


あんまり食が進まないからか、お母さんはやっぱり心配そうな顔をした。


「どうしたの? リンゴも食べれないって……大丈夫? ちゃんとご飯は食べてるの?」

「う、うん。ちょっとお腹が空いてお菓子を食べたからかな……」

「またなの? もう、間食はやめなさいってお医者さんからも言われたでしょ」

「アハハ、ごめんごめん」


それから、無理をしてリンゴを全部お腹に収める。さすがにお腹一杯で眠くなったところに、母さんが紙袋から赤い表紙のアルバムを出した。


「ほら、ご希望のアルバム持ってきたわよ」

「!」


眠気なんてぶっ飛んで、直ぐ様覚醒した私はアルバムに飛び付く。そんな私にお母さんは盛大なため息を着いた。


「真由理、あの部屋はないわ。女の子の独り暮らしなのにだらしな過ぎでしょう。もっと普段から整理整頓をきちんとしなさいとあれほど……」


汚部屋を見たお母さんのお小言をスルーして、早速アルバムを開いた。


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