ダブル王子さまにはご注意を!




「梨花も同じことを言ったんだ」

「まあね……あ、そうそう」


お母さんは思い出したようにバッグを手にすると、ごそごそと中身を漁る。そして、封筒を差し出した。


「梨花と言えば、これを預かってきたよ。なんか“お姉ちゃんには大切なもので、そろそろ必要になるだろうから”……って、言われたよ」

「え、なんだろう?」


梨花はかなり遠い県で働いてるから、会えるのは月に一度あればいい方。梨花は私が入院してすぐお見舞いに駆けつけてくれたけど、私はまだ眠っていた上に、無理して2日滞在してる間は目覚めなくて。断腸の思いで3日目に病院を後にした直後に私が目覚めたらしい。

だから、入院してから梨花とはまだ会ったことがなかった。


お母さんはわざわざ様子を見るために月に一度そちらへ赴く。その時に渡されたんだろう。


白い封筒には厳重に封がしてあって、しかもエアパッキンで包まれてる。こんなに丁寧に梱包してるのなら、なにか貴重品か精密機器? と電気屋の店員ならではの発想をした。


ひとまずハサミで中身を傷つけないよう、慎重に封を切って開く。そして出てきたものは、プラスチックで出来た安っぽいペンダントだった。


< 142 / 235 >

この作品をシェア

pagetop