ダブル王子さまにはご注意を!
「やっぱり郁美には本物が似合うよ~私なんて、ほら。こんなチープなのしか持ってないし」
私はポケットから小さな巾着袋を出すと、その中から例のおもちゃのペンダントを取り出し手のひらに載せた。
「ほら、偽物っぽいでしょ」
見せるために差し出したのだけど、どうしてか郁美はペンダントにじっと見入ってた。食い入るように……と言ってもいい。
「……郁美? どしたの」
彼女の顔色が、見る間に悪くなってる。しまいには青ざめてしまって、気になった私は彼女に手を伸ばしたけど。
バシン! と大きな音が響いた。ゆっくりと痛みを感じて、彼女が睨み付けた――と知るのはすぐに。
「触らないでください!」
「郁美……どうしたの?」
いきなり態度が急変し、呆気にとられた私が声をかければ。彼女はハッと我に返ったのか、私の手をそっと握った。
「な、なんでもありません……ごめんなさい! 痛かったですよね?」
「ううん、大したことないから……それより、顔色がよくないけど。ホントに体調は大丈夫なの?」
私が気になって言えば、彼女は首を縦にふった。
「はい。平気です……」
「なら、いいけど。ホントに辛いなら早めに言ってよ。どうにかするから」
「はい……」
席に戻ってからの郁美はだんまりで、なんとなく盛り下がったまま。気まずいなか、彼女は唐突にある申し出をしてきた。