ダブル王子さまにはご注意を!
(そうだ……郁美は大丈夫なのかな?)
私の指輪を見てからずっと顔色が悪かった。あの後気まずいまま別れたけど……。
(けど、どうして郁美はこの指輪を欲しがったんだろ? こんな100均で買えそうなおもちゃ。郁美が貰ったルビーの方が遥かに価値があるだろうに)
ガラスの指輪と本物のルビー。それだけで一樹がどちらを大切に思ってたか、がわかってしまう。なのに、なぜ郁美は私のこれまで欲しがったの? 数カラットのルビーの方がどう見ても価値があるのに。
それに、あれだけ一樹に愛されながらも何が不満なんだろう。一樹の将来をも手にできるくせに……! なんて考えて、ハッと我に返り自分の汚さに吐き気がした。
(やだ……私。郁美に嫉妬してる……)
私からすれば、何でも持ってるのは郁美だ。美しさも……経済力も……両親も……一樹の心だって。
(やだやだ……こう考える自分がイヤだ。私は私じゃない……そう決めたばかりでしょ!)
ぶんぶんと頭を振った私は、ぺちんと頬を叩いて頷いた。
「よし……郁美と話してこよう。あのままじゃ気まずくて安眠できないし、体調も気になるもんね」