ダブル王子さまにはご注意を!
「おっしゃる通りに、A社は窮地に立たされております。藤井 達郎さんが緊急総会で引責で社長の辞任を迫られた、という情報もございます。しかもその際に彼の横領の罪が告発された、とも」
マリエラさんはかなりの情報通らしく、眉をひそめながらもこっそり教えてくれた。
「それと、緊急総会が開かれる前に達郎さんが秘書に命じてとある国へ渡るチケットを用意させた……という情報もあります」
「え、もしかして高飛びするつもり!?」
「……かもしれません。極秘にですが、有価証券類はすべて売却したとのことですから」
「……やっぱり。収入の割には羽振りが良すぎたんだ」
社長なら海外に別荘を持っててもおかしくはないけど、それがハリウッドやハワイやアフリカのセイシェルなんて。どう考えても最上級のセレブでもないと無理だよね。
(アフターサービスがひどいと評判だったのも……もしかしてコストをけちるためだった? 費用を誤魔化して計上させて、まるまる懐に入れてたとか……)
コールセンターもろくに電話が繋がらない上に、片言の日本語しかしゃべれない人しかいなかったとか。通話料はお客さん負担だったとか。よくない評判しか聞いてなかった。