ダブル王子さまにはご注意を!
「プロに……狙われてる? なんで私が」
「あなたがあるものをお持ちになっていたことに加え、フリューゲル王国王位継承者の妃候補に浮上したからです」
「……夏樹のせい!?」
あのバカ! やっぱり殴らなきゃ気が済まないと拳を震わせていると、マリエラさんが違いますと答えた。
「夏樹様の意向はあくまでもきっかけに過ぎません。これからは私どもも四六時中護衛にお付きしますが、何事も万全とは言えません。あなた様ご自身がご自分をお護りになりたいならば、お覚悟も必要と申し上げておきます……誰一人傷つけずに逃がしてもらえるほど、甘い相手ではありませんよ」
コトン、とマリエラさんはテーブルに再び銃を置く。よく磨き込まれた木製のテーブルに、鈍く光る銃が写り込んでた。
「…………」
確かに、この間は中庭で不明な相手に襲撃を受けた。一樹や育美のに巻き込まれたと思ったけど……現実は違ってたかもしれない。
でも、と銃へ伸びた手を諌めてギュッと手のひらを握りしめた。
(やっぱり……銃は持たない)
一瞬、気持ちが揺らめいたのは否定できない。何せ数日前の恐ろしさは今思い出しても身体が震え冷や汗が出るくらいだ。顔色が悪くなる自覚すらある。
だけど……
やっぱり。簡単に相手を屈伏させる力は、持てそうにない。私にはそこまでの覚悟はないから。
私が黙ったまま首を左右に振ると、マリエラさんは苦笑いをして「それでは」とあるものを出してきた。