ダブル王子さまにはご注意を!
「……一樹、いいでしょ?」
「…………」
「一樹!」
もともとの送り主にお伺いを立てれば、彼はため息をついて不承不承認めてくれた。
「ああ……おまえがやりたいなら好きにしろ。だが……」
一樹は呆れた顔から、途端に鋭い眼差しに変わり郁美を見た。
「郁美、ペンダントの中をよこせ」
「!」
途端に郁美の表情と身体が強張る。一樹が手を伸ばせば、郁美は「いや!」とペンダントを抱えたまま頭を振り後ずさる。
「一樹くんが……わたしに応えてくれないなら、せめてこのダイヤモンドをちょうだい! これを売ればわたしは……まだ生きられる! だから……」
くるりと郁美は背を向けて走り出した。私は咄嗟に手を伸ばすけど、信じられないくらいのスピードで遠ざかっていく。
それだけじゃない。突然、近くのガラスが砕け散って全身に降ってきた。
「真由理!」
咄嗟に一樹が私に覆い被さってきて、ガラスの破片を代わりに浴びる。
「一樹!」
「く……」
パン、パン、と続けてガラスが砕け、後から後からガラスが降り続く。これじゃ動けない!
(どうしよう……一樹が危ないのに)
まただ。
自分の無力さを感じたのは。
(誰か……一樹を助けて!)
情けないけど、他力本願で願うしかなかった。