ダブル王子さまにはご注意を!
そこへ違う角度から銃撃があって、ガラスへの攻撃が止んだ。
「真由理様、レオン様!」
ありがたいことに、マリエラさんたちの加勢だった。
しかも彼女以外に10人近い人間がいて、ホッと息をつける。
「外の連中は片付けました。ですがまだ彼女の後を追うやつらがいます」
「そうか、では早く追い付かねば」
立ち上がった一樹の姿を見た瞬間、悲鳴をあげたくなった。
「一樹! ケガが……」
「大したことない。それより、郁美を追うぞ」
一樹は何でもないように言うけど……。
全身に切り傷がたくさんできて、ワイシャツなんて真っ赤に染まってる。どう見ても大丈夫じゃない!
「待って! 郁美は私が説得する。だから、一樹は病院で手当てを受けてよ」
「平気だ。もっと酷いケガなど何度も経験した。ひどく見えるが傷は浅い。心配いらない」
一樹は淡々とそんなことを言い、マリエラさんから新しい銃を受け取ってひととおり動作を確かめてた。
そして。
素早く構えて照準を合わせた彼は、何の躊躇いもなく引き金を引く。
銃声が響きほどなくして、温室の上から人が倒れ滑り落ちていくのが見えた。
……まさか……今、一樹が撃ったの? 身体を震わせた私に、一樹は事も無げに告げた。
「これが、オレが生きる世界だ。少しでも躊躇うなら近づくな」