ダブル王子さまにはご注意を!
……正直に言えば、怖かった。
狙いを定める一樹は、完全にハンターの目で。あのおちゃらけた彼とまるきり別人だった。
どっちが本当の彼なの?
彼に訊けないから自分に問うてみた。
でも……
私は一度俯いてまぶたを閉じる。出会って……正確には再会してからの短い日々を思い出した。
“すべてが駄目な人間なんざよほど居ない。大抵なにかひとつはあるもんだ。
あんただって……”
私は一度俯いてまぶたを閉じる。そして、一樹に訊いてみた。
「一樹、私のいいところってなに?」
「は?」
案の定間の抜けた声が聞こえたから、私はこう言ってやった。
「私は、知ってる。一樹は不器用だけど優しくて……笑い上戸で……意外と頑固。でも経済観念がしっかりしてる。苦労してるけど派手な買い物はしないってね」
「……いきなり何を言う?」
声を低めた彼に威嚇するように言われたけど、怖くないもんねとにっこり笑ってやった。
「だから、私は一樹が好きだよ……興味本位だとかいい加減な気持ちでそばにいたい訳じゃないから」
そして、ドキドキと高まる鼓動を深呼吸で誤魔化して一気に言い切る。
「私は、夏樹じゃない。あんたのそばにいたいんだからね!」