ダブル王子さまにはご注意を!



「く……」


腕を掴んで何とか郁美が落ちるのを防いだ。だけど二人ぶんの重さを支えるのは正直に言ってキツイ。

運動不足だけど、腕力には自信がある。女だろうと常に20kgはあるオーブンレンジだのなんだの運んでるし。


だけど、汗をかいた手のひらはジリジリと滑る。このままじゃいくらも持たないだろう。


「離して……! もう嫌なの……!!」

「ばか! 私はあんたの友達でしょ! だからあんたを助けるし、あんたが悪いことをしたら注意をするの!
あんたが言ってくれたでしょ!友達になってくれって……!」


そう告げた時――


私のなかで、甦る光景があった。


“離してよ……どうせぼくは必要とされてないんだ……こんな病弱なぼくは……”

“ばか! あたしはあんたの友達でしょ! だから助けるし、悪いことをしたら注意するの!”


痛いほどに重みを感じた片腕……痺れた片手。焦りながらも必死に助けようとした相手は……。


「真由理!」


――ああ、やっぱりと私は納得した。


「しっかりしろよ! 今、助けるからな」


落ちかけた手をしっかりと掴んだ力強い手。一生懸命に私たちを助けてくれたのは他でもない――。


「郁美、しっかりつかまって! 今引っ張りあげるから」

「よし、いいぞ」


一樹がわざわざ岩の上に乗って、郁美の手を持ち一緒に引っ張りあげてくれた。



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