ダブル王子さまにはご注意を!




「笑ってる場合か! 告白してきた女を3年半も放ったらかしって。一体なにを考えてんだ!」


ふんが~! と鼻息荒く憤る香織……落ち着きましょうか。お腹の赤ちゃんに悪影響だから。

「ま、まぁ……そうだけどね。私は言えただけましだと思う。それまでだったら何も伝えずに勝手に失恋って決めつけてたけど……レオンのことは……ちゃんと伝えようって決めたの。このままお別れは嫌だって思ったから……だから満足だよ。
エアメールだって10回に一度は返事が来るし……」

「10回に一回!? 少なすぎるでしょ! しかも“元気でやってる”ってドイツ語で。そんなの返事と言えないわ!」


……あ。


遂に香織がぶちギレた。


「ほら!」


バッグから便箋を取り出した親友は、ペンを片手に私に押し付けてきた。


「今度返事くれなかったら、告白してきた人と付き合う……って書きな!」

「え゛!?」


香織のとんでもない提案に、お母さんはそうねと頷いた。


「あんたももうすぐ三十路だものね……もしも希望がなければ別に目を向けるのも悪くはないと思うわ。世の中レオン王子だけが男性って訳でもないし……あんたには梨花と同じ様に、相思相愛で結ばれてしあわせになって欲しいからね」


もちろん一番大事なのはあんたの気持ちだけど、とお母さんは結んだ。

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