ダブル王子さまにはご注意を!
みんなみんな、私を思って心配してくれてる。
だからこそ、その気持ちは嬉しくてくすぐったくて……ちょっとだけ胸が痛い。
早く、あなたもしあわせになって欲しい。そんな想いがひしひし伝わってきて、その分期待に応えられない申し訳なさもあって辛い。
「ごめん……もう少しだけ待って。せめてクリスマスまで……それまで何にも進展がなかったら諦めるから……」
香織とお母さんにそう告げ頭を下げると、二人とも長いため息を着いた。心配ばかりさせてごめんなさい……。
けど、クリスマスに本当に諦めると決めてた。だってその日は……私の29歳の誕生日だから……。
二十代最後のクリスマス。それまで引きずった想いと決別するために……フリューゲル王国への渡航する意思を固めてた。
会えるかはわからない……だけど。まだ手の中にある赤いペンダントを見て、どうかと願った。
(どうかもう一度だけ一樹……レオン王子と逢えますように……)