ダブル王子さまにはご注意を!
「うわぁ、どうしたのそれ? すごい手が込んでるじゃない」
「はぁ……まあ」
同じ時間帯に休憩に入ったパートの人に見られてしまった……カフェ並みにオサレなランチを。
バスケットを開けば食べやすいよう盛り付けられ、彩りも完璧な栄養バランスもバッチリなランチプレート。保温スープジャーには熱々のコーンスープに、別添えのボックスにはいつの間に作ったのかコールスローサラダ。しかもみんなプロ並みに美味しい……と思う。
パートさんが騒ぐから、休憩室に入ってきた人にいちいち注目されてしまった。
しかも、最悪なことにもなる。
「あ……」
ちょうど遅番で出勤してきた早乙女さんと、バッチリ目が合ってしまったのだから。
フラレてからまだ3日ほどしか経ってない。あの時は軽く流したつもりだけど、どうにも会話がギクシャクして話しづらい。社会人だから公私に区別を着けるべき、と判ってはいるけど。
(でも……いつまでも引きずってると思われてもきっと良くないよね)
私も25のいい大人なんだから、うじうじするな! と自分に渇を入れる。パン! と軽く太ももを叩くと、思い切って口の端を上げて笑顔を作る。
「おはようございます、早乙女さん」
お腹の底から声を出して、彼に挨拶をした。