ダブル王子さまにはご注意を!




「うわぁ、どうしたのそれ? すごい手が込んでるじゃない」

「はぁ……まあ」


同じ時間帯に休憩に入ったパートの人に見られてしまった……カフェ並みにオサレなランチを。


バスケットを開けば食べやすいよう盛り付けられ、彩りも完璧な栄養バランスもバッチリなランチプレート。保温スープジャーには熱々のコーンスープに、別添えのボックスにはいつの間に作ったのかコールスローサラダ。しかもみんなプロ並みに美味しい……と思う。


パートさんが騒ぐから、休憩室に入ってきた人にいちいち注目されてしまった。


しかも、最悪なことにもなる。


「あ……」


ちょうど遅番で出勤してきた早乙女さんと、バッチリ目が合ってしまったのだから。


フラレてからまだ3日ほどしか経ってない。あの時は軽く流したつもりだけど、どうにも会話がギクシャクして話しづらい。社会人だから公私に区別を着けるべき、と判ってはいるけど。


(でも……いつまでも引きずってると思われてもきっと良くないよね)


私も25のいい大人なんだから、うじうじするな! と自分に渇を入れる。パン! と軽く太ももを叩くと、思い切って口の端を上げて笑顔を作る。


「おはようございます、早乙女さん」


お腹の底から声を出して、彼に挨拶をした。


< 24 / 235 >

この作品をシェア

pagetop