ダブル王子さまにはご注意を!




「おはよう」


ほっとしたような早乙女さんは、硬いけど微かに笑ってくれた。


「今日の弁当、ずいぶん手が込んでるね」

「はい。料理が趣味の友達が作ってくれたんです。昨日泊まらせてもらった上にランチまで用意してくれて……」

「小学生からの友達だっけ? 佐々木さん」


早乙女さんは一応香織と面識があるから、そう来るのも当然……というか。今までコンビニ飯がデフォルトだった一人暮らしのズボラ女が、急に手の込んだランチを持参した時。恋人や家族以外に何と説明すればいい?

(やっぱり友達しかないでしょ……というかそれ以外あり得ない)


私と早乙女さんの会話を、他の休憩中の人が聞き耳立ててる様子がヒシヒシ伝わってくる。たぶん、少なからず誤解をしてる……料理をしてくれる恋人ができたとか。


(私だってそれだったらどんだけよかったか……)


女子力壊滅的な自分に女子力高いカレなんてぴったりじゃん! って思うこと自体すでにいろいろ終わってるんだろうけどね。この年になると他人に合わせるのが面倒というか、億劫になってくるのが正直なところだし。


< 25 / 235 >

この作品をシェア

pagetop