ダブル王子さまにはご注意を!
「おはよう」
ほっとしたような早乙女さんは、硬いけど微かに笑ってくれた。
「今日の弁当、ずいぶん手が込んでるね」
「はい。料理が趣味の友達が作ってくれたんです。昨日泊まらせてもらった上にランチまで用意してくれて……」
「小学生からの友達だっけ? 佐々木さん」
早乙女さんは一応香織と面識があるから、そう来るのも当然……というか。今までコンビニ飯がデフォルトだった一人暮らしのズボラ女が、急に手の込んだランチを持参した時。恋人や家族以外に何と説明すればいい?
(やっぱり友達しかないでしょ……というかそれ以外あり得ない)
私と早乙女さんの会話を、他の休憩中の人が聞き耳立ててる様子がヒシヒシ伝わってくる。たぶん、少なからず誤解をしてる……料理をしてくれる恋人ができたとか。
(私だってそれだったらどんだけよかったか……)
女子力壊滅的な自分に女子力高いカレなんてぴったりじゃん! って思うこと自体すでにいろいろ終わってるんだろうけどね。この年になると他人に合わせるのが面倒というか、億劫になってくるのが正直なところだし。