ダブル王子さまにはご注意を!
「聞いてないあんたが悪い」
「は……?」
「それに、就業時間内に仕事を終わらせられないあんたが悪い」
「……」
呆れて物も言えない、なんて初めて体験した。なんて言う自己中発言! 反論よりも何よりも、ぽかーんとしてしまいまじまじと相手を見てしまう。
その間に引きずられていつの間にかお店を出て、ハッと気付いた時には駐車場に立ってた。
「ちょ、ストップ! マジ、なんなの!? 私があなたの言葉に従う義務も義理もないんだけど」
「ある」
ぶっあいそうな人は不愉快そうに眉間にシワを寄せて……って、ホントに今朝の人と同一人物なの? 顔とか体格は一緒だから同じ人と思いたいけど、別人と思うくらい印象が違うんだけど。
「あんたが居ないと捗らないから仕方ないだろ」
しかも全然愛想の欠片がない態度のまま、いきなり睨み付けられつきたし。親の仇みたいにキツイ目付きで見られる憶えはないんですが!?
「記憶を取り戻す手伝い……だっけ? そんなの! ありあまるお金があるなら専門の調査会社やら探偵やらに頼めばいいじゃない! いくら地元民でも記憶力の怪しい私に頼む意味がわからないって、昨夜も言ったでしょ」